佐久島の地層を見てみよう♪~自然観察会 佐久島地質編①
12月13日に、佐久島で初めての地質観察会(自然観察会第三弾)が行われました。
講師は、西尾市史自然編執筆員で岡崎学園高校副校長の内田義和先生、西尾市史自然編調査員で日本地質学会会員の吉村暁夫先生、西尾市史自然編調査員で日本地質学会会員の山本康孝先生です。
1800万年ほど前にできた佐久島の地層
佐久島の地層は日間賀島、師崎が同じ海に堆積したものと考えられています。
2300万年から1500万年ほど前くらいの新生代新第三紀中新世の地層です。
一昨年、佐久島の地層の中にジルコンという物質があり、放射年代測定を始めて行いました。
すると、1800万年前のものであるという結果が得られたそうです。
地質学者たちによると、古瀬戸内海(古い瀬戸内海)がこの辺りに広がっていたという見解。
佐久島の地層はタイプに分けると師崎層群というところになるのですが、1800万年前から1600万年前ぐらいに溜まった地層であるという解釈がされています。
不連続な連なりの地層
地層が連続している(きちんと層になっている)場合を整合、地層がぐにゃぐにゃ曲がっているような地層は不整合と呼びます。
不整合の原因には、海水準変動、地盤の隆起、断層の活動などの現象が影響していることが考えられます。
地層を見ることによって、どの時代に何が起こったのかを推測することができます。
断層はどうやって起こるの?
断層というのは、地層に大きな力が加わって、地層がずれたり切れたりしているもの。
地層が連続的に切れることで断層というのだそうです。写真は「正断層」と言われるものです。
大地には、地震や津波など様々な圧力がかかっています。
その断層ができる過程でどのような圧力がかかったかによって、断層の種類が分かれています。
まず、地面を引き裂くような左右にひっぱる圧力がかかったことで、亀裂が入って地面が両側に離れるようにずれるのが「正断層」。
その他にも地面を両側から押しつぶすように圧力がかかることで地面が上にのし上がるようにずれる「逆断層」と呼ばれるもの、
断層線に向かってブロックが右に動く場合を「右横ずれ断層」、左に動く場合を「左横ずれ断層」と呼ばれているずれもあります。
かかる圧力によって、断層のでき方は違うのです。
佐久島の中心に向かって地層が傾いている!?
船からでも見えるのですが、地層は佐久島の中心部を向いて傾いています。
佐久島の真ん中の地層は何だか丸いそうです。
「もしかすると佐久島に隕石が落ちたのかも!?」という一つの説を導いて調べたそうですが、隕石の痕跡はありませんでした。
ただ、不思議な石が民家の石垣にあって「もしかすると!?」と思い調べてみたそうです。
その結果、溶鉱炉で焼けた石だと伝えられているそうで、「なぜこんなところに溶鉱炉で焼けた石が?」という謎が残ったとのこと。
ひょっとすると、これが隕石だと証明される日が来るかもしれません。