佐久島体験学習レポ

  • 投稿日時:2017年06月12日
  • カテゴリー:最新情報

佐久島体験学習レポ

2017年5月 小牧市立応時中学校

今年も5月から6月にかけて、多くの学校が佐久島での体験学習にチャレンジ!  その中で最も長くお付き合いをしているのが、小牧市立応時中学校。 佐久島体験がはじまった2001年当時からの経緯を先生にお聞きするとともに、 遊漁船体験の様子もレポートしました。

【体験時期】2017年5月23日~25日(3日間)

【体験内容】佐久島中学校との交流会、遊漁船体験、島内散策、 地引網体験、ボランティア活動など

「ゆったり佐久島時間」

佐久島出身の先生が語る、佐久島体験の極意

橋本 真利 先生

 応時中学校の橋本(旧姓 勢力)先生は佐久島出身。この島で生まれ育ち、高校進学と同時に島を 出ました。その後教員となり、安城や西尾(旧幡豆郡地区)の学校に勤務して、ご結婚を期に小牧 へ。応時中学校が佐久島体験をスタートさせた当初から、そのプラン作成と実践に関わってきまし た。

そもそも佐久島が体験学習の場となったのは、別の先生がプライベートでこの島を訪れたのが きっかけ。自然にふれながらゆったり過ごした貴重な経験を生徒たちにも味わってもらいたいと 思ったのだそうです。そこで、佐久島の魅力を知っている橋本先生の出番となったわけです。

応時中の体験期間は3日間。全員で行う行事的なプログラム数を絞って、島をのんびり散策する 時間を十分にとるなど、ゆとりあるスケジュールになっています。「自然の中でゆったり過ごす」 という原点を忘れないようにしているためです。

実際に体験後の感想文で、「海で石を投げて遊んだこと」「足元まで海に浸かってみたこと」な ど、なんでもないようなことが印象に残ったと書いている人が多いようです。それって、すごく佐 久島らしくてステキな体験ですね。

2012年から本格的に始まったのが、佐久島中学校との交流。少人数で活発に活動する佐久島中 の生徒を見て、応時中の生徒たちはみんなびっくりするそうです。また佐久島中の生徒にとって も、大人数の集団とのふれあいはとても貴重な経験になります。橋本先生自身、島を出て高校に入 学した時、大人数の環境になかなかなじめず、ホームシックになったとか。「こうやって今から多 くの人たちとふれあい、その空気を実感するのはいいことです」と語ってくれました。

「ドキドキ、ユニーク体験」

佐久島ならではの、遊漁船操船体験

 遊漁船体験は生徒たちに大人気の体験プログラムです。遊漁船とは、釣りなどの娯楽を目的に、 お客を乗せて航行する船のこと。体験2日目の5月24日、小グループに分かれて船に乗り、三河湾 内を航走しました。ただ船に乗るだけではなく、操縦にチャレンジするというワクワク体験も!

この日は薄曇りで、暑くも寒くもない快適な天気。風もなく波も穏やかな、最高の操船日和でし た。何艇もの船が順に港を出てそれぞれ沖へ向かい、お互いに十分な距離をとってから、操船体験 がはじまりました。

 生徒たちは一人ずつ順番に操舵席に着き、船長さんの指導のもとで操船に挑戦。まっすぐ走らせ る、スイードを出す、カーブする、ぐるっと回り込む、スピードを落とす、止まる…など、さまざ まに船を操っていきます。操縦する生徒もデッキで見守る生徒も、みんなドキドキ。「わあ、荒っ ぽいな~」「波しぶきが立ってるよ~」「蒸気がすご~い」などと、感想が飛び交います。操縦を 終えてデッキに戻った生徒たちの表情は、自信と充実感にあふれていました。
「面白かった!」とどの生徒も顔を輝かせて感想を語ってくれたのですが、それは単に面白かっ たという意味ではなく、本当の海の上で、何人もの人を乗せて、実際に自ら舵を取って船を操る難 しさや大変さを実感した上での「面白かった」なのだと思います。佐久島ならではの体験ができて よかったですね!

 

「自然の力を体感」

体験をサポートする、民宿のご主人のお話

 佐久島体験学習をサポートするのは、島の民宿・旅館。数カ所の宿に分宿し、それぞれの宿を拠点 に活動します。この遊漁船体験のように、遊漁船の船長さん(漁師さん)などが協力するプログラ ムもあります。体験サポート者を代表して、民食・千鳥のご主人にお話を聞きました。

「遊漁船体験は、17年ほど前から続けているプログラムです。生徒たちに楽しさや感動を与えられ る体験をと考えて始めました。毎年喜んで体験してくれています。でも、実際には楽しいだけじゃ ない。海の上というのは自然のまっただ中。操縦は天候に大きく左右されます。風が強ければ波が 高くなるし、霧が出れば視界が悪くなる。霧が晴れたかと思うと、今度は返しの風が吹く。そうい う自然の力を体で感じながら操船するのがダイゴ味です。 それを心に刻んで乗船しないといけません。船の上で勝手な行動をする人や、船長さんの指示に 従わない人がいたら、全員が危険な目に遭うおそれもあります。そういう人が一人でもいたら、こ の体験は中止することにしています。でもそのことさえ踏まえて行動すれば、本当にすばらしい、 貴重な体験になります!」

『体験学習』の詳細はこちら
http://sakushima.com/island/taiken_gakushu/index.php