佐久島大太鼓、20年ぶりに新たな響き
この秋、佐久島の大太鼓が20年ぶりに皮を張り替え、新たな音色で甦ります。

前回の張替えは平成17年4月。
年月を重ねるうちに革がゆるみ、音の響きがやわらかくなってきたため、今年7月から9月にかけて岡崎市の老舗「三浦太鼓店」で修繕が行われました。

張替えの作業には、島民も立ち会いました。
まだまだ、音が低いため、太鼓の上にのって皮踏み(背骨の皮の硬い部分は人が乗って踏み緩める)をして、締め具合や音の響きを確認しながら、職人技と島の人の息の合った共同作業。


太鼓の内部には、過去の修繕歴が残されており、長い年月にわたって受け継がれてきたことを物語ります。
修繕歴の書き込みからも、時代の流れと島の歴史の重みが感じられます。

昭和10年 片面締め直し

昭和30年 張替え

昭和52年 両面張替え

平成17年 両面張替え

令和7年 両面張替え
「久しぶりに両面を張り替えたで、披露するのが楽しみだ」
「ピンと張った皮は跳ね返りもよく、叩いていて気持ちがいい」
と、叩き手たちの表情にも笑顔がこぼれます。



この大太鼓の最初のお披露目は、毎年10月17日に八劔神社で行われる「秋の大祭」。
祭りの朝、島中に響きわたるのが「佐久島太鼓」。
祭りを知らせるあの音は、島の人々にとってどこか懐かしく、心に染みる響き。

世代を超えて受け継がれてきた佐久島太鼓が、今年も秋の空の下で新たな鼓動を響かせます。
佐久島で響くその音を、ぜひ現地で体いっぱいに感じてみてください。

