佐久島弘法ウォーキング講座レポート
【佐久島の弘法さん巡り】
日本全国各地には、四国八十八ヶ所巡りを模した「写し霊場」があります。大正時代の初め、佐久島でも八十八ヶ所に弘法さんの祠がつくられ、本土から多くの巡礼者が訪れました。
現在も佐久島では、弘法大師(空海)の命日である旧暦3月21日に弘法祭りが開催され、島中の祠が花で飾られたり、「お接待」と呼ばれるふるまいが行われたりして、多くの人が朝からお参りをして回ります。
今年の弘法祭りの日(5月10日)、西尾市教育委員会事務局生涯学習課の主催により、佐久島の弘法さんを巡るウォーキング講座が開かれました。
祠を巡りながら、そのいわれやアートによるリノベーションなどについてレクチャーを受けるというイベントです。好天に恵まれ、参加した皆さんは陽春の日差しを浴びながらの弘法ウォークを楽しんでいました。
参加する皆さんは、西港に集合。弘法巡りに関する基本的な説明を受けて、西港をスタートしました。まずは西港のそばにある崇運寺へ。本堂には弘法さんがまつられています。
西集落内の弘法さんをお参りした後、白浜の海岸へ。アートな祠と出会いました。
山に足を踏み入れ、空と海を望む高台で、高野山のある紀伊半島の方角を眺めました。ここはこの辺りで最も高い場所。かつてはたいへん見晴らしがよく、海をゆく船も見えたそうですが、現在は雑木林となっています。
大山かいわいには多くの祠が点在します(大山弘法道)。皆さん、お参りをしてお接待のお菓子をいただいていました。
昔ながらの祠に混じって、アーティストによる祠や、学生たちがリノベーションした祠も。皆さんはいろいろな弘法さんに驚いていました。
何人かの方は、弘法像の姿の違いにも目が止まったようで、「あの弘法さんとこっちの弘法さん、お顔が違うよね」「姿も色合いもそれぞれだね」などと話す声が聞こえてきました。
リノベーションしたのは祠だけでなく、100年以上の年月を経て失われてしまった弘法像も然り。2人のアーティストの手によって、新たな土弘法として蘇りました。
西尾市内をはじめ、近隣の市町村から参加した方が多かったようです。
佐久島への来島は初めてではないけれど、弘法巡りは初めてという方がほとんどで、皆さん、とても興味深げに説明を聞いていました。
幡豆の穴弘法など、他地域の弘法さんの話などしながら歩く方も。
予定していた時間いっぱいまで島内の弘法さんを巡ったあと、お待ちかねの昼食。ひどくお腹が空いたことでしょうね。お疲れさまでした!