佐久島の女性ランナー 滝口 茜さん
風を切って島内を走る
時々、佐久島の中を走っている人を見かけます。そのほとんどが本土から走りに来ている人のようです。走るのに心地よい環境なのでしょう。
とても数が少ないのですが、中には佐久島のランナーもいます。
その中で唯一と言ってもいい女性ランナー、
それが滝口茜さんです。
忙しい時や悪天候の時など、走れない時はもちろんありますが、可能な範囲で走っているとのこと。島の景色を背景に、潮風に吹かれながら、一人で島内を走り抜けてゆく孤高のランナーです。
走るのは決して楽ではないはずだけれど、楽しくて気持ちよくて、ずっと走っていたいと思う日もあるそうです。
2020年、一色マラソンに初参加
茜さんが走り始めたのは、比較的最近のことです。
渡船の職員にランナーがいて、走ってみないかと誘われ、2020年の一色マラソン(現・にしおマラソン)に初挑戦したのがきっかけ。
それまでマラソン経験どころか特に走っていたわけでもなく、走り方や注意すべきことも分かりません。
佐久島しおさい学校の先生からアドバイスを受け、期間は短くともそれなりに厳しい練習を経て、10km一般女子の部門にチャレンジしました。結果は148人中27位。とても立派な記録ですね!
走る楽しさを覚え、大会挑戦への意欲も強まりましたが、残念なことに翌年からコロナ禍で一色マラソンは中止に!(※2022年から「にしおマラソン」として再開) それからしばらくの間は、コロナの影響で公式大会への挑戦ができず、島内を走るだけにとどまっていました。
2022〜2023年、名古屋ウィメンズマラソンへ
2020年の終わりになって、ようやくまた公式大会に参加できるようになりました。その皮切りが、12月に行われた愛知池ハーフマラソンです。この時は男女別の順位で見事2位となったのです。
年が明けて2023年2月、モリコロパークで行われた20km駅伝に参加。初めてのチームワークを経験しました。
そして3月、名古屋ウィメンズマラソンで初のフルマラソン大会出場を果たしました。記録は3時間35分! 3時間30分を切るのが目標だったそうですが、それにしても素晴らしい記録ですね!
茜さんと同じ時期に走り始めた、弁天サロン管理人の山中紀江さんは、今は茜さんを応援する側にまわり、名古屋ウィメンズマラソンの際も現地で歩道を走りながらエールを送り続けたといいます。
ただでさえ島民ランナーは少ないのですが、恒常的に走っている女性ランナーは茜さんだけ。「佐久島は眺めもいいし、山あいは緑が豊かで風も弱く走りやすい箇所も多いので、ぜひ走りに来てください。一緒に走れる人が来てくれたら嬉しいな」と茜さんは言います。
自然散策やアート散策もいいけれど、ランにもぴったりの佐久島。ぜひ走りに来てみませんか? 茜さんと遭遇できるかもしれませんよ。