佐久島ライフレポ Vol.15

佐久島しおさい学 教諭 清水 大有さん

子どもたちとピッタリ寄り添う

佐久島の学校ライフ

清水先生は、令和3年度から佐久島しおさい学校の先生として島にやってきました。学校のことや島での暮らしのことなど、この1年を振り返りつつ語っていただきました。

 

少人数教育に関心

以前は刈谷市内の小学校で、40人の生徒を受け持っていました。アットホームな環境での少人数教育に関心があり、僻地教育に携わりたいと思っていました。勤務年数や年齢制限などの条件をクリアできる今がチャンスだと思い、応募したところ、佐久島への赴任が決まりました。

佐久島はそれまで一度も来たことがなく、決まってから打ち合わせや授業の見学に1度ずつ来ただけで、すぐに引っ越し。慌ただしかったですね。

「海に囲まれた環境がすばらしい!」というのが、佐久島の第一印象です。海も山もあってすごくいい。でも築100年の家には驚き、とまどいました。関東大震災の頃(大正時代)に建てられたとのことで、前任、前々任人の先生たちも暮らしていた立派な家なのですが、なにぶん歴史があるのでので虫が…(笑)

 

子どもたちとの距離にびっくり

清水先生は小学校5・6年生の担任を務め、学活や道徳、専門教科の社会などを教えています。

佐久島しおさい学校は教科担任制なので、他の学年も担当します。小学校1年生の図工や2年生の算数、中学校3年生の社会も担当。1時間目に小1を教えて、2時間目に中3という日もあり、最初は切り替えが難しかったとのことです。

 

一番びっくりしたのは、生徒との距離の近さ。

これにはどの先生も驚かれるようです。清水先生はそれまで高学年の担任が多く、子どもたちとの距離はほどほどでした。ところがこの島の学校では、中学生でも腕を組んできたり肩に乗っかってきたり。

先生の方から積極的に密着できる時代ではなく、しかも今はコロナ禍という特殊な状況にもあるため、先生としてはそういった状況に配慮しながら、あたたかい気持ちで接しているそうです。

 

 

授業時間の配分がカギ

しおさい学校の子どもたちは屋外授業や地域行事を通じての授業などに慣れているため、動きのある学習を好む傾向にあります。

わからないことを自分で調べたり、(コロナ禍では制約がありますが)みんなで積極的に話し合って問題解決したりするのは得意ですが、長時間座って授業を受けると集中力が続かないことも。

だから清水先生は、前半の時間にいかに効率よく教えるべきことを教え、後半で子どもたちの積極性を活かせる活動をさせるか、常に考えながら授業をしているそうです。

 

時には子どもたちの「遊びに行こうよ」(実は遊びではなく野外学習なのですが)という交渉にも対応し、時間配分に苦労しながら、日々楽しく授業をしているとのこと。

 

 

もっと多くの出会いがありそう

コロナ禍に見舞われて以来、学校や島の行事のほとんどは中止されています。佐久島太鼓の練習に通っている清水先生ですが、いまだに島の祭りを体験できずにいます。

スポーツの集まりにも出ていて、週4日ほどは島の人たちと交流しているものの、島民の多くはあまり出歩かなくなっており、島で暮らしているのに会える人が限られ、たまに道ですれ違った島民に挨拶すると、「誰だろう?」という具合に驚かれてしまうようです。

 

「行事が頻繁に行われば、覚えてもらえるかな?」と、ちょっぴり寂しそうな清水先生。きっと近いうちにそんな日が来ますよ!

それでも美味しいいただきものはいろいろ。海の幸は最高。カニの茹で方もカキの殻の開け方も、佐久島に来てから覚えたといいます。

まだ島での生活は続きます。子どもたちや島の人々と、素敵な時間を過ごしてくださいね。

 

「佐久島での暮らし」に興味がある方は定住促進ガイドをご覧ください。

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