佐久島ライフレポ Vol.11

佐久島クラインガルテン利用者 ゆうかさん

 

憧れの島暮らしには、

予想外の嬉しい驚きが!

佐久島クラインガルテンは、利用者と島民との交流を通して島の活性化や定住促進などへの貢献を目指す、宿泊滞在型農業体験施設です。ゆうかさんは今年の6月から滞在するようになった、新しいガルテナー(利用者)さんです。

 

念願の暮らしが近場で実現

ゆうかさんは自然が好きで、海や山のある島暮らしに憧れていました。全国の島の中から、住むことのできそうな所を探したそうです。愛媛県のある島が第一候補でしたが、そこは思い描いていたイメージとは違っていました。自転車で簡単に一回りできるような規模をイメージしていたのに、そこはもっと大きな島だったのです。

ゆうかさんは愛知県で生まれ育ったものの、愛知の離島・佐久島のことはよく知らなかったといいます。ところが偶然にも、以前職場の同僚だった女性が佐久島出身で、「こんな身近なところに理想の島が!?」とびっくり。クラインガルテンの情報も知りました。

とにかく自分の目で見てみようと思い、初めて訪れたのが昨年の夏。自然豊かでクルマもほとんど走っておらず、大きさも雰囲気も自分のイメージにぴったり。クラインガルテンの写真も撮り、「これは未来の私の家」というキャプションまでつけたほどです。迷わず申込みをしました。

元同僚の女性はそれから島に戻りました。今も優花さんの島暮らしをサポートしてくれる、心強い友人です。

 

スタートが遅くて大変!

かつて優花さんが作った “島暮らしでやること” のリストには、こんなことが挙げられています。「朝早く起きて歩くまたは走る。ラジオ体操やサイクリングをする。魚を釣って食べ、できるだけお金を使わずに生活する。趣味のギターやカメラざんまいをする。それまであまりやれなかった読書もする」…そこに畑仕事は入っていません。当時はまだ佐久島のこともクラインガルテンのことも知らなかったからです。 ご家族も優花さんの新しい生活を応援してくれたので、6月から晴れてガルテナーに。ただし他の新しいガルテナーさんたちは新年度(4月)から夏野菜づくりの農作業を始めており、優花さんは完全に出遅れてしまいました。

とはいえ、畑仕事など未経験で知識もゼロ。草ボーボー状態の畑を前に何をどうしたらいいか分からず、ただ途方に暮れました。管理人さんのアドバイスでまずは草取りをし、耕すところからスタート。「私が鍬もうまく使えず四苦八苦している様子を見たJAのおばさんが、職場のおじさんにそれを話し、おじさんがトラクターを入れてくれて、あっという間にフカフカの土にしてくれました。畝づくりも管理人さんに教えてもらったし、野菜の種や苗の半分は他のガルテナーさんたちがくれたもの。みんなの力で私の畑はできているんです」とゆうかさんは言います。

 

想定外の喜びは「人」

実際の島暮らしで、予想していなかったことがあります。それは人との関わり。何となく自給自足のイメージがあるからか、「何でも自分でやらなくっちゃ」みたいな気負いがあったのですが、ガルテナーさんも管理人さんも島の人も、みんな親切で優しくて、ふれあいがとても多いそうです。「こんなこと想定外でした。嬉しい驚きです」とのこと。

しかも新しい友達までできたとか。コロナの影響で大学が休講になって島に帰っていた大学生と仲良くなったのです。スポーツ好きでソフトボール部だったゆうかさん。キャッチボールを楽しめる友達ができたことで、島での暮らしが一層充実したものになりました。「海を背景にキャッチボールなんて、ドラマのワンシーンみたいでしょ!」

 

生活にようやくゆとり

ゆうかさんは島内で週1回仕事をしていますが、それ以外の日は大まかに次のようなスケジュールで過ごしています。①5時起床(早起きになりました!) ②散歩(1時間ぐらい) ③農作物の収穫・草取り ④朝食 ⑤休憩(TVなど) ⑥昼食 ⑦午後から人と会う ⑧夕方、畑の水撒き ⑨散歩 ⑩22時就寝。

のんびりしている印象かもしれませんが、実はかなり忙しくて、あっという間に3~4カ月過ぎてしまったそうです。最近ようやく少し畑仕事に慣れて、暇に思える日も出てきたとか。本土の友人たちを招く予定がコロナ禍で困難になり、そのぶん時間的な余裕ができました。

リストに挙げたギターやカメラはやっているそうです。読書は思うように進んでいないけれど、チャレンジはしています。釣りはさほどしていません。管理人さんを始めいろいろな人に魚をいただくので、常に冷蔵庫にストックがあるためです。

ガルテナー同士集まってよく食事もします。みんなで材料や料理を持ち寄ってワイワイ楽しく食べます。週末に来る人も多く、その人たちはお魚やお肉を持って来てくれます。「皆さんからおいしいものをいっぱいいただくので島に来てから太ってしまい、ただいまダイエット中 (笑)」だとか。今ハマっている料理は、収穫した野菜をふんだんに使ったヘルシーなスープだそうです。本当に毎日充実していて楽しそうですね!

島暮らしが始まってまだ日が浅いためあまり先のことは考えられませんが、一夏を終えたので「次の夏の畑仕事は自分でできるかな」とか、「そろそろ冬野菜の種蒔きの時期かな」などと、当面の目標ぐらいは考えられるようになりました。でもまだ分からないことがいっぱい。島のおばあちゃんと足並みを揃えて、同じ時期に同じ種を蒔けば安心だね、なんて考えつつ、楽しく頑張っていこうと思っているゆうかさんです。

 

 

「佐久島での暮らし」に興味がある方は定住促進ガイドをご覧ください。

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