島の人のおはなし-島のお母さんとマッサージの先生-
身も心もほっこり
-島のお母さんとマッサージの先生-
2週間に1度、本土の接骨院から佐久島へ、マッサージの先生が出張してくれます。
その日になると島のお母さんやお父さんがやってきて、癒しのひとときを過ごします。
体が楽になるのはもちろんですが、そうやって三々五々集まっては、他の人が施術を受けている間、おしゃべりに興じるのも楽しみになっています。
久保田剛史先生
一色町出身の整体の先生で、介護予防運動指導員の資格もお持ちです。もともと佐久島が好きで、プライベートでも度々来ていたとのこと。
最初は島の人たちが通院してくれていたのだそうですが、ご高齢者も多く大変だということで、3年ほど前から出張サービスが始まりました。
先生ご自身も2週間に1度の来島をとても楽しみにしていて、小さなお子さん2人を連れて、家族ぐるみで来ることも多いとか。
島のお母さんたち
8人ほどの常連さんがいて、女性の方が多いそうです。この日はちょうど、お母さんたちが3人集まっていました。
光江さんは「腕とか膝とか、そこらじゅう痛いだわ」と言いつつも、「ほれでも何もせんでおると足が弱るで、毎日ある程度の時間は外へ出て、畑をやるだよ。
花とかね。佐久島にゃ花屋さんがないで、お墓に花もあげれんで、自分で育てんとね」と、なかなかお達者です。
「ほいだけど近ごろじゃ、お墓の花も造花が増えただよ。お年寄りはお墓に行くのも大変だで」と他のお年寄りの心配も。
美子さんは「肩から足まで、マッサージしてもらっとる。養蚕を昔やっとったせいかね、膝が悪かっただよ。やってもらうとほや楽になるわ」とにっこり。
静代さんも「私も膝が痛いだよ。やっぱりラクになるだわ。とにかくこの日が楽しみだでねえ」と話します。
みんなマッサージの日を心待ちにしていて、「注文していた野菜の苗が届いても、そんなのそっちのけでここに来る!」と口を揃えて言うのです。ここはおやつ持参でやってくる社交の場でもあり、まさに心身ともに癒される時空間といえます。