古式ゆかしい佐久島の奇祭「八日講祭り」

毎年1月8日は八日講祭り。
あいにくの雨で渡船状況も不安定でしたが、例年通り行われました。
八日講祭りの舞台は、1024年創建と伝えられている東地区の八劔神社です。

佐久島の奇祭と言われている神事ですが、その歴史はなんと260年以上。
鬼に見立てた八角凧を弓矢で射ることで邪悪を払い、幸せを願います。

弓矢で射るのは、裃姿の年男。
今年はお2人いらっしゃいました。

祭りが行われた当初は8人居たそうで、
そこから8日に行われるようになったという説も…

 

お祭りが始まりますよ!


さあ、お祭りが始まります。
「鬼」と書かれた八角凧が吊るされ、古式ゆかしい裃姿で年男のお二人が登場。


まず右(東の弓仕)が、
※1天筆和合楽(てんぴつわごうらく)”と唱え矢を射ます。
これは命中!

無病息災の願いが届きました。
※1 天上に相応じて福が満ちますように


続いて左(西の弓仕)は
※2地福開円満(ちふくかいえんまん)”と唱え矢を射ます。
これは届くも外れますが、矢に込められた願いは放たれました。
※2 この土地に幸いが訪れみんな仲良く暮らせますように

二度目も同じように‟天筆和合楽” ‟地福開円満”と唱えられますが、矢は放ちません。

 

無病息災でありますように

矢が放たれたあとは、子ども達の出番。
大人たちと一緒に、八角凧の骨をバキバキと折り分解します。
またたく間に凧はバラバラになりました。

八角凧の骨を持ち帰ると一年を無病息災で過ごせるそうですよ。
争奪戦になるかと思いきや…
島民も観光客もそれぞれが、さらに小さく折り分け合いました。

 

お祭りのあとは

お祭りのあとに行われるのは餅投げ。
餅投げは、おもちの他にお菓子やティッシュ箱なども飛んできます。
当たるとけっこう痛いのですが、ゲットできると嬉しい縁起物です。
この餅投げは1839年から行われていたそうですよ。

 

ここからは島民の儀式
直会(なおらい)とは、お祭りが終わったあとに島民達で行われる共飲共食儀礼のこと。
お食事は「三角膳」で出されます。
これは「みすま膳」ともいわれており、五穀豊穣の祈願などの意味があるようです。


献立は豆腐やあさり。
定かではありませんが、三角の畑や田んぼは神様の祭場であったということから、
「三角膳」が用いられたという説があります。

毎年1月8日にしかお目にかかれない八日講祭りは一見の価値あり。
ぜひ来年は遊びに来てください。