佐久島ライフレポ Vol.22

佐久島しおさい学校 教諭 藤本 裕大(ゆうた)さん

 

佐久島の自然や文化にふれる授業を

 

令和6年度から佐久島しおさい学校の教師として島にやってきた藤本先生。

この1年余りで取り組んできた授業や、これから目指すこと、どんな島暮らしをしているのかなどをお聞きしました。

 

 

自然を生かした教育

以前は愛知県の海部地域の学校に勤務していました。

海や山などの自然を生かした教育について学んでみたいと思い、30代のうちに僻地教育にチャレンジしようと応募。可能なら海がいいと思っていたところ、佐久島への赴任が決まりました。


佐久島は本当に海の中や山あいの生き物がいっぱい。「あまりにも生き物が多くてびっくりしました。小笠原諸島は東洋のガラパゴスと呼ばれていますが、佐久島は愛知のガラパゴスだと言ってもいいぐらいです」と、目を輝かせながら語る藤本先生です。


そんな豊かな自然を背景に、陸(本土)にはない様々な行事も多くて、とても勉強になっているそうです。

 

地域の人と共に

藤本先生は、昨年は3・4年生、今年は5・6年生の担任。今の5年生は去年も担任していた児童たちです。

佐久島では5人ほどの少人数クラスですが、以前は1クラス30~40人のクラスを受け持っていました。「やはり一人ひとりに対してじっくり向き合えて、きめ細やかな指導のできる点が大きく異なります」とのこと。

とはいえ、愛西市では1クラス10人のところ(特別支援学校)にも長く勤めていたので、少人数自体の経験はあり、その面ではすぐに慣れたといいます。

大きな違いという意味では、地域とのつながりの深さに驚いたという藤本先生。「地域連携という言葉はよく出るのですが、実際には地域の人に助けてもらえることは少ない。でもここでは島の人たち、保護者に限らず多くの島民の皆さんが一緒に教育に子どもの教育に携わってくれます。そこが佐久島教育の強みだと思います」

例えば、佐久島の昆虫について子どもたちに教えたいが、藤本先生自身がよくわからなくて困っていた時、昆虫に詳しい人を島民から紹介してもらえたのです。おかげで「クワガタの先生」と言われる人にお願いしてクワガタ教室を開くことができました。それが子どもたちに大好評。藤本先生自身の希望で去年から始めた行事で、今年2回目を実施。できれば来年も、というように毎年続けていけたら嬉しいといいます。

 

他にも、島の人から島の祭りについて子どもたちと一緒に教えてもらったり、漁について知りたいことを漁師さんに聞いたりと、「島の先生たち」に学ぶ機会は少なくありません。

 

佐久島暮らし

島での生活にはすっかり慣れました。島の人がいろいろと助けてくれるからです。野菜とか魚介とか、ありがたくいただいているそうです。何か困ったことがあれば、太鼓練習の時などに島の人に相談すると、随時教えてもらえます。

太鼓練習以外にも、スポーツの練習日(練習というよりはお楽しみ?)が複数日あり、その他にも何かしらの集まりがあって、毎日あっという間に平日が過ぎ、金曜の夜には本土のご自宅へ帰って、また日曜に戻ってくるという、結構忙しい日々です。

藤本先生のご家族は、お子さんたちのサッカー活動のため、本土を離れることができません。藤本先生も週末は常にサッカーの送迎に明け暮れています。

「でも夏休みには妻も子どもたちもみんな、島暮らしを体験したくてこっちへ来ました。海で遊んだり、島の学校で遊んだり、陸ではできないことをいっぱい体験できて、とても充実した日々を過ごすことができました」と、嬉しそうに語ってくれました。

 

 

これからの目標

今年の藤本先生の目標は、生活面では太鼓の技術をもっと上げることと、笛を覚えること。佐久島の曲をマスターしたいそうです。

教育の面では、「屋外へ出て行って、自然にふれながら学べる授業を充実させたい。

今通学している子どもたちに、より学校が楽しいと思えってもらえる授業をしたい。屋内でできる勉強であっても、可能な範囲で外へ出て、みんなで楽しく話し合ったりしながら学べる授業をしていきたいと思っています。佐久島の学校で学べて良かったなと、子どもたちが心から思える授業を目指したいですね」とのこと。

これからも頑張ってくださいね!

 

 

「佐久島での暮らし」に興味がある方は定住促進ガイドをご覧ください。

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