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●島民登場バトンリレー Vol.47
今月の人が来月の人を紹介する方式で、佐久島で暮らす素敵な人々が毎回登場。
今回は、Uターン2年目の伸武さんです。
●●●●2004年3月の人●●●●
筒井伸武さん(Uターンで充実生活)
中学校卒業と同時に島外へ
40年以上の年月を経てUターン 。
都会暮らしだったビジネスマン時代、島での生活を夢見ていた。
伸武さんが中学校を卒業して島を出たのは、今から半世紀近くも前のことです。京都に本社を置く企業に就職し、東京、大阪、名古屋と、大都市で暮らしながら、営業マンとして全国を飛び回ってきました。ずっと都会で多忙なビジネスマン生活を送りつつも、心はいつも佐久島に。盆・正月だけでなく、アサリ漁のシーズンにも帰省していたそうです。佐久島が心底好きで、いつか必ず帰ってくると決めていました。なんと、30代の頃からUターンへの想いを奥さんに語り続けてきたのだとか。「いわば洗脳だよ」と伸武さんは笑いながら言いますが、実は奥さんも佐久島出身。やっぱりご夫婦そろってこの島が大好きだったんですね。念願かなって、平成14年の7月に帰ってくることができました。住まいは古くなった伸武さんの実家を改築。建て直したほうが早そうでしたが、子どもの頃、山から切り出した松などを使って建てられた家だけに愛着が強く、廃材が出るのもよくないと思ったからです。84歳になられたお母さんもお元気で、味噌汁の冷めない距離にお住まいです。
想いがあれば大丈夫、Iターン&Uターン。
本当は50代半ばでUターンし、60歳までに漁の仕事を覚えたかったという伸武さん。そのときは自信がなくて断念したそうですが、今では漁協の組合員になって、漁を楽しんでいます。「漁師のまねごとですよ。趣味を兼ねて学びごとをしているんです」と伸武さん。自分たちで食べるだけでなく、少しは出荷もしているとか。今はアサリ漁シーズンたけなわで、忙しい毎日です。伸武さん夫婦はたしかに佐久島出身で、家もありましたが、何しろ40年以上も島を離れていたわけで、Iターンを考えている人と立場は大きく違わない、と伸武さんは言います。「UターンでもIターンでも大丈夫、最初は不安でしょうが、人間関係だって少し経てば慣れます」というのが、転勤を何度も経験している伸武さんの頼もしい言葉です。
「私のお気に入り」
奥さんとふたりで楽しむ自給自足70%の生活
伸武さんたちも、島の多くの漁師さんたちと同様、ご夫婦で漁に出ます。いっしょに船に乗り、魚を捕り、野菜を作り、寄り添い合って悠々自適の生活を送っているのです。このワカメも、もちろん自分たちで採ったもの。近所の人が野菜を届けてくれることもあります。食べるものはほとんど自力で賄えるそうです。「自給率は70%だね」と、ニッコリするお二人。こんなふうに夫婦で充実した暮らしができるのも、島の豊かな自然のおかげでしょうか。
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