佐久島ライフ・レポ Vol.8

定住/高橋さくらさん

家族で佐久島へ移住。いつしか漁師のお嫁さんに。

高校生のとき家族で移住
 高橋さくらさんは以前三重県の桑名市に住んでいましたが、高校1年生の3月に家族(ご両親と妹さん)で佐久島に移住しました。ご両親が自給自足しながらお店ができる場所を求めて屋久島などいろいろな島を巡り、その中で最も気に入ったのが佐久島だったといいます。

さくらさんもこの島は雰囲気がよく、桑名からも近くていいと思いました。高2月の目前だったことから転校は心配でしたが、ご両親の挑戦を応援していたので、特に深く考えず一緒に来たそうです。でも実際に来てみたら、それなりに大変でした。

大変だったのは島内での暮らしそのものではなく、高校生活です。まず、船の時間に合わせて通学するのに一苦労。本土(一色)の高校に通ったので、船の時間を考えないと部活もできません。いつも練習の途中で抜け、試合の時などは顧問の先生宅に泊めていただくなど、何かと不便でした。友達と学校帰りに寄り道、なんてこともできません。「妹は島の学校に通ったでその点では何の問題もなく、社交的な性格もあって友達もいっぱいできて、すぐ新しい生活に馴染めたけど、私は船に左右される生活サイクルに慣れるまでには、ちょっと時間がかかりました」とさくらさんは当時を振り返ります。

年代を超えて仲良しに!

島内に同学年の人はいるのですが、ほとんどの人は中学校卒業と同時に島を出てしまいます。当時佐久島から本土へ通っていたもう一人の生徒は男子だったため、女子どうしのように気軽に話すのはムリ。でも少しずつ高校の友人が増え、高校生活が楽しくなっていきました。

ところが佐久島では、人口が少ないため年代を問わず仲良くできるのがミソ。その頃はスポーツクラブと称して幅広い年齢の人たちがみんなで一緒にスポーツをしたり遊びに行ったりするのが盛んで、けっこう楽しく過ごせたとのこと。後に結婚することになる9歳年上の漁師さんも、そんなお仲間の一人でした。

高校卒業後、すぐに結婚

 現在のご主人と親しくなったのは高2の秋ごろから。すみやかに結婚が決まり、卒業後すぐに結婚しました。住まいは実家にもご主人の実家にも近い西地区の一軒家で、ご主人が漁に出ている間は一人っきりに。今はご主人はサワラ漁をしていてかなり出港の時間が不規則ですが、結婚当時は今よりは規則的な生活で、基本的に漁の手伝いはしておらず、アサリかきさえ当時はまだやっていませんでした。のんびりはできたものの、高校時代のようには友人と会えないし、ご両親はお店が忙しいし、いつも一人でポツンとしている感じで淋しかったそうです。

ちなみに当時の実家のお店というのは、自給自足のこだわり食材を使った1日1組限定の茶懐石のお店で、料理とおもてなしの素晴らしさでなかなかの評判でした。でも一番下のお子さんが7ヶ月のとき、やむを得ない家庭の事情でご両親は島を出ることに! 残念ではありましたが、実家との距離が程よく離れたことで少しお出かけ気分になれるので、それはそれでよかったかなと、今は思っているそうです。

漁師のお嫁さんらしくなった?

ご主人の漁の形態が潜りからサワラ漁になったこと、また3人のお子さんに恵まれてさくらさん自身がちょっぴりたくましくなったことなどから、やがて家業の手伝いもするようになりました。季節や日によってスケジュールは変わりますが、だいたい朝はお子さんたちを学校に送り出してから家の中のこと全般、昼からはご主人の昼食とお弁当の支度をします。夕方子どもたちの帰宅後は食事や入浴や就寝までのあれこれと小刻みに忙しく動き、その間に子どもと一緒に食事や入浴などして、仮眠をとります。

このように忙しいのは、今年の夏前ごろからご主人と一緒に市場に行きはじめたから。まとまった睡眠時間もとれないような慌ただしい日程ですが、市場でも仮眠をとったりするとか。今では魚をさばけるようになったし、道具の手入れをしたり、お義母さんと一緒にナマコの処理もするし、漁師のお嫁さんらしくなったかなと思う日々です。

島の友だち、そして家族との大切な時間

さくらさんには、若い女性らしいお楽しみがあります。それは、島の女友達と島外にショッピングを兼ねてちょっとお出かけする、あるいは島内のカフェでおしゃべりすること。お嫁さんどうしで親しくお付き合いできて、とっても楽しいそうです。今では島内に何人もの友達ができました。「やっぱり友達って大切ですね。気のおけない友人がいつも身近にいることのありがたさを噛みしめてます!」とさくらさん。

もちろん、家族とのひとときも楽しんでいます。子どもたちと浜でシーグラス探しなんて、島ならではの遊びですよね。ご主人の漁の時間次第ですが、海辺をウォーキングすることもあるそうです。また島外へのお出かけは自分たちの船で。マイカー感覚でステキですね!